ファンタジスタドール

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キャストインタビュー / 谷口悟朗インタビュー / Anmi×加藤裕美 キャラクターデザイナー対談

谷口悟朗インタビュー【インタビュー構成/氷川竜介】

もっとも谷口悟朗らしくない谷口悟朗作品

ファン待望の新作『ファンタジスタドール』は、谷口悟朗原作のオリジナルアニメということで、早くも話題を集めています。どんな作品にしていこうと思われていますか?

あえて言うなら、これまでの中で「もっとも谷口悟朗らしくない谷口悟朗作品」になるでしょう。そこはぜひ楽しみにしてください。

それはものすごく刺激的なキャッチですね(笑)。

自分では、常に挑戦というものをし続けたいと思っているんです。だから、いままで関わってきた作品群とは違うアプローチにしたいなと。

少女が主人公のオリジナルアニメなんですね。

私に徳がないせいで、ほとんどそういうオーダーが来ないものですから(笑)、「自分でなんとかしなきゃ」と。スタンスとして観ていただかないことには始まらないと思ってますし、やはり今は女の子中心のお話にしたいなと。あくまでもお客さん重視の姿勢で、自分のやりたいことを入れていく感じです。ただし深夜アニメが行き着いてしまった最先端を表面的に追いかけるのではなく、もう少し開かれたライトな層に向けて、間口を拡げたかたちでやりたいとも思っています。

それには何か理由があるのでしょうか?

『コードギアス』のTVシリーズが終わったとき、自分自身に一度リセットをかけようと思ったんですね。その間、『ジャングル大帝』など一般的なジャンルの作品を監督したり、役者さんといっしょに朗読劇をやってみたり。ともかく幅を拡げてみました。さらにTOHOシネマズ学生映画祭のトークに参加し、「自主映画」という自分もかつて歩んできた道に立ち会えたことで、「原点に戻る」気持ちになれたことも大きいです。

なるほど。そうした中で監督という立場をとらなかったのは、なぜでしょうか?

自分自身の映像癖が自分なりに分かっているからですね。どうしてもどんどんいけない領域につっこんでいくのは目に見えるわけで、するとこれまでと同じになってしまう危険性がある。あらかじめ断っておきますが、今回の作品では人は死にません(笑)。もっと楽しい雰囲気の作品として観ていただくことを考えると、むしろ自分は客観的な立場で全体を見て、監督と相談しながらコントロールする方がいいだろうなと。なおかつプロデュースの部分もプロデューサーと相談していく。そんな距離感の進め方がベストだと思ったんですね。

それが「クリエイティブプロデューサー」という肩書きの意味なんですね。その上で、斎藤久監督と組まれようと考えられた理由は?

ずっと前から仕事をいっしょにやってきた仲で、お互いよく知っていること。少女が主人公のアニメーション作品の監督としての最前線も、ずっと走ってますしね。それと、とにもかくにも私とは発想が根底から違うというのが最大の理由です。私はスタートのところに情念があって、行き詰まったら理詰めで考えていくタイプなんです。でも斎藤監督は真逆なんですよ。最初は理屈っぽく考えようと努力するけど、どうしてもできなくて情念が先に出てしまう(笑)。スタッフもお客さんも含めて、みんなで楽しめるスペースとしての大きなもの、核になる部分は私が提供して、研ぎ澄ませた最先端の部分は斎藤監督が提供する。そうすれば、きっとうまくハマるに違いないぞと。予期せぬ化学反応が出て面白くなることを信じて、準備をいっしょに進めている段階です。

なるほど、確かにその化学反応で何かが生まれそうですね。作品づくりの詳細については、また日を改めて聞かせてください。ありがとうございました。


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