ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回

「こっち!」とヨモギの声。
このシュウマイは、エビシュウマイであり、ヨモギは上に乗っている丸まったエビに掴まり、こちらに手を伸ばしてくれていた。
「ありがと」うずめはその手を借りて、同じようにエビに掴まる。
一安心、というところだが、うずめ達が飛び移った、バルーンはどんどん降下していく。
しかも、うずめとささら達のドールが乗っかって重さが増したために、落ちていくスピードも加速している。
「ヨモギちゃん、これで、どうするの?」
「下にいるグオの側までとりあえず降りる」
「それで?」うずめの問いにヨモギは答えず、ささら達に向かって言った。
「ヨーヨー、あるわよね。使えるよね」
「持ってはいるけど」カティアがヨーヨーを取り出した「使えるかどうかって言われたら、えっと、たしなむ程度って感じかな」
ヨモギが「みんなのヨーヨーを投げて、あの恐竜の尻尾にからませてくれる?」と言った。
小明が「なるほど」とつぶやいた。
マドレーヌが「そういうことですか」と、取り出したヨーヨーを右手の中指に引っかけながら言った。
「え? どういうこと?」なにがなんだかわからないが、置いてきぼりにされてることだけはわかる、うずめが聞く。
ささらが一応説明してくれた「ティラノサウロスとこのシュウマイのバルーンをヨーヨーの糸で繋いで、見失わないようにするってこと」
「引っ張ってもらうの?」と、うずめ。
「付かず離れず、恐竜を追跡できる」と、小明は「いいアイディアだ」と言うなり、ヨーヨーをブン投げた。
びゅぅぅ!
ヨーヨーが風を切る音。
下には大きな真っ白いこれ以上崩れることはないお豆腐状のクッションの上にカソ研のベコベコに凹んだバン。
その側に降り立ったグオが頭を下げて、また車の側面にドン! と、頭突きを繰り返している。
そんなティラノサウロスの尻尾の根元に、皆が投げたヨーヨーのワイヤー、くるん! くるん! と巻き付いた。
「おけ!」小明はぐいっ!とワイヤーを引き、しっかり絡まっていることを確認したかと思うと、自分の指に巻いていたこちらの端を、シュウマイの上、真ん中で跳ねた形で飛び出ているエビ部分の根元へと巻き付けていく。
「こういうことでしょ」小明がヨモギに向いて、ふっと笑った。
そう、そういうこと、と、ばかりにヨモギが親指を立ててみせる。
小明に続とばかりに、うずめのドール達は皆、手にしたヨーヨーをグオに向かって放った。
くるん、くるくる!
「みんな、なんでそんなにヨーヨーの達人なの?」と驚いている、うずめの隣でヨモギはまた新しいカードを取り出していた。
「でもって、これとこれのカードを使う!」
うずめが覗き込むカードには『風船』と書かれたカード『×10』と書かれたカード。
「それはもしかして…」と、うずめが答える前にヨモギのデバイスは光を放ち、風船の力、そして、その力を十倍に増強する割り増しカードが目映い光の粉と共に効力を発揮していった。


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