ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
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さらに…
うずめの側のピンクのツインテの彼女もまた光に包まれて装備が整う。他の二人と違って背中に小さな白い羽根。これはヨモギがマンガに描いていたあの羽根そのもの。しかし、それが二度、三度動いたかと思うと、上下左右にぶわっ!と伸びた。白い羽根はピンクのツインテの彼女の全身を包み込めるほど大きくなり、それがさらに大きく躍動して羽ばたく。
ぶわあぁぁぁさ! その場でつむじ風を幾つも巻き起こし、ピンクのツインテの彼女はフワリと飛んだ。
そして、そのまま体育館の天井付近まで一気に上昇していく。
恐竜の鼻先の遙か上、飛翔したピンクのツインテの翼から、まるで飛沫のように羽毛があたりに飛び散っていく。
「きれい…!」うずめは思わず溜息を漏らす。
その時、ささらがティラノサウロスの大きな頭の後ろに掴まった女の子の姿を見つけた「あ、あれ!」指差した先を小明が見る「あれは、しめじ」そして、マドレーヌが「どうして、しめじがあんなところに?」カティアが大きな声で呼びかけてみる「しめじー! なにしてんのぉ!」。
グオオオォォォ!
恐竜の咆吼で皆の声はかき消される。
黒髪のツインテ女子がパチンコを構えてグッと、まるでアーチェリーの弓のように引いた。
それをティラノサウロスをめがけて…と、思ったがその狙いは体育館の天井。
恐竜の頭上だった。
「みんな、目をつぶって!」と、ヨモギの声。
な、なにが始まるの? うずめはそう聞くよりも、とりあえず言われるままに、口をへの字に曲げて硬く硬く目をつぶった。
びゅっ! と引き絞られたゴムの力で打ち出された弾。
ちょうど恐竜の目の前でちかっ! と輝いた。
必死に目を閉じているにも関わらず、まばゆい光をあたりに満たして、目映く発光した。
目つぶしの弾丸。
あたりは真夏の白昼のように、いや、それ以上の光に包まれた。
グオォォ…
一時的にではあるがティラノサウロスの視覚のセンサーはホワイトアウトしてしまっていた。白い闇に包まれた恐竜は大人しくなるどころか逆に動きは激しくなる。
勢いよく振り回す尻尾は上下の運動とひねりが加わり、打撃のインパクトはそれまでのものよりも明らかに破壊力が増した。
ガシャン! グシャン!
恐竜は闇雲に尾を振りあらゆるものをなぎ倒していく。
後ろを向いたかと思うと尻尾が次の瞬間、パーティションをはね飛ばし、机をなぎ倒してうずめ達の居る場所を直撃する。
「危ない、マスター!」ささらが、うずめを突き飛ばした。
うずめ達の頭上を太い尾が掠め、うずめをかばうことで精一杯だったささらの背を激しく打った。
ささらの体、視界から消えた。
側にあったブース。
『蒸してみた』と書かれているボカロ饅頭の店。
そこの巨大な液晶モニターに、ささらは突っ込んだ。


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