ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回

「しめじーっ!」うずめはもう一度叫んでみる。
と、ようやくその声が届いたのか遙か下、しめじがこちらを振り向いた。
「!」
シュウマイの上から身を乗り出して下の様子をうかがっている、うずめとささら、小明、マドレーヌ達の姿に気づいたのだった。
「マスター! みんな!」しめじの口元がそう言っているように動いたのは見えるが、実際に声はこちらまでは届かない。
なんとかして話はできないものか?
「そうだ!」うずめは自分の携帯を取り出した。
ささらが言う「マスター、携帯でどうするつもり?」
うずめは隣でやはり下の様子を見ているヨモギに「ヨモギちゃんの携帯、いいかな?」と言った。ヨモギちゃんは、すぐにうずめの意図を理解し、自分の携帯を取り出す。
うずめの携帯に向けてまず互いのデータを交換し、スカイプ改V3を起動さる。
すぐにヨモギちゃんの携帯の液晶に、うずめの顔が、うずめの携帯の液晶にヨモギちゃんの顔が映った。
「なるほど」と、マドレーヌ。
ささらも納得して言った「その手があったか」
小明が「それ、私が投擲(とうてき)します」と手を差し出す。
うずめは「お願い…」とスカイプ改V3が立ち上がっている携帯を小明に渡す。
そして、うずめは下を走る恐竜の頭にしがみついている、しめじの名をさらに大声で呼んだ。
「しめじ〜〜!」
振り向くしめじ。
ささら達も「おーい!」「しめじー!」と声を出し手を振って、しめじの注意をこちらに惹きつける。
そこで小明がシュウマイバルーンの上に腹ばいのまま、腕だけ大きく振りかぶって、まるで塹壕から手榴弾を放り投げるかのようなモーションで、下へ、しめじへと携帯を投げた。
「ふん!」
恐竜の頭の左側にしがみついている、しめじもまた手を振って仲間のドール達の声援に応えようとした時、後方の上空に浮かぶシュウマイバルーンからキラリ☆と光る物が投げ出されたのに気づいた。
「あ!」それはこちらに向かって、キラ☆! キラ☆! と、時折、光を反射してきらめきながら正確に、しめじに向かって飛んでくる。
しめじは「あ、あ、あ…」と、声を発し片手でティラノサウロスの後頭部を掴み、片手で飛んでくる携帯をキャッチしようと懸命に手を伸ばした。
「あ、あ、あ…こっちこっち」しめじが思い切りのけぞる。
「ん…ん…大丈夫? いけるかぁ!」
そいてギリギリ、でもうまいこと、はっし! と、それをゲットすることができた。
「おし!」
そして、その携帯を覗き込む、しめじ。
シュウマイの上、うずめがヨモギの手にしている携帯の液晶を覗き込んでいるので、しめじが手にした携帯には、うずめの心配そうな顔が大写しになっていた。
「しめじ、大丈夫? 聞こえる? 私、うずめだよ」
「マスター!!!!」
意外と明るく元気な、しめじの声がすぐに聞こえた。
「どうしたの! しめじ!」と、ささら。
「大丈夫? みんな心配してるんだからぁ!」とカティア。
「マスターや皆に心配かけちゃダメでしょ」とマドレーヌ。
「大丈夫そうね、しめじ」と、小明。
うずめはドール達の皆に言いたいことをみんな言われてしまった感じで「で、で、どうなのかな…」と、一番最後にしかもボソボソと付け足しのように聞いたのだった。
「いや、それがね…」と、しめじは言った「なにから話したらいいのかな…」

つづく。


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