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改めて紙を広げてみた。
そこにいつの間にか文字が追加されいてる!
『誰かとなんかうわーっとなったりしたい』
これはうずめの文字
『そのご要望に応じます』
これはうずめが書いた覚えのない言葉。
さらに。
『今すぐエントリーなさいますか?
YES NO』
「エントリーすると、なんなの? ご要望がかなう?」
恐る恐る、YESに○。
そして、うずめはあたりを見回してみる。
「誰か、今、私になにかしてる? サプライズのなにか? でも今日は誕生日でもないし、なんかの記念日でもない、なんでもない日だよ」
そして、再び紙に目を落とすとこちらに向かって微笑んでいる女の子のイラストが添えられ、さらに文字が増えていた。
「では、私たちとチームを組むことに同意しますか?」
「チーム?」
「私たちとチームを組むことに同意しますね」
声が聞こえた。そのイラストの女の子が話しかけてきているような声。
「あ、はい」うずめは思わず返事をしてしまう。
「いいんですね! ね!」
「…はい」
うずめの「はい」はけして「わかりました、私は私の意志でそれを選びます」というものではもちろんない。なんだってそうだった、うずめは強く「どうなの?」と聞かれると「あ、はい」と反射的に答えてしまう。
もちろんすぐにとってもとっても後悔することにはなるのだけれど。
たった今の「はい」ってのもそうだった。
「エントリーありがとうございました」
紙の中の女の子は動画となり、ぺこりとこちらに向かって頭を下げた。
「なんで?」
と、思うまもなく!
そこから光!
熱を持たない火の粉が勢いよく散った。
うずめの目の前が真っ白になる。
「う! うわぁ!…」
そして、それはうずめの目の前で実体化した。
女の子の姿で。
「わたしはささら。マスターの願いをかなえるためにやってきたファンタジスタドール」
ファンタジスタドール? 聞いたことない、そんな言葉。
急に人の側に現れ出でたこの女子。
<かわいいな>
うずめの回りにはいないタイプ。
ドールっていうのがどういう意味かよくわからないが、でも、ドール=人形ってことだとすると、確かに人形的なかわいらしさを持っている。
「私はささら…」
「あなたがファンタジスタドール?」
「の、一人」
「何人いるの?」
「私の他にあと四人」
ささらと名乗る女の子は笑っていった。
「ではマスター、残りの四人を呼び出して!」
「どうやって?」
「カードで、よ」
つづく。