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うずめの隣に座っているヨモギちゃんが言った。
「このアイス、おいしいんだろうけど、今は全然味がしない」
「うん」うずめもそれに答えて「冷たいだけで、いつもみたいにおいしくない」
「ドールのカードをなくしちゃうなんて、私、マスター失格だ」
「なくしたわけじゃないよ、ヨモギちゃん」
「でも、どっか行っちゃった」
「地下鉄の中で見つかるよ」
「地下鉄のどこで?」
「それは…」うずめは言葉に詰まる「…わからないけど、この街の地下のどこかに恐竜は居て、その恐竜の中に、ヨモギちゃんの大切なカードはある」
「見つかるかな…」ヨモギのか細い声。
「見つけるんだよ、必ず」
「うずめちゃん…」
「うん?」
「ありがと」
「そんな…ありがとなんて言われるようなことはしてないよ、私」
「ううん、よくあるんだ私、自分がダメなんじゃないかって思って立ち止まったり、しゃがんじゃったりすることが」
「そんなの私だってしょっちゅうあるよ、本当だよ、けっこうあるよ、かなりあるよ」そんなにくり返して強調することでもないな、と思いながらもそれでも、うずめはヨモギに伝えたかった「まだ、終わってないよ、ヨモギちゃん、まだ私たちは全然、途中だよ」
「そう…だよね」
「とりあえず、立ち止まってもいいから、少ししたらまた歩きだそう、なにかしてみよう。考えつくことを、さ」
「ありがとう…いろいろ、ありがと」
うずめと、うずめのドール、そして、ヨモギとヨモギのドールたちは、またカソ研のバンの後ろに乗せてもらって駅へと向かった。
そして、そこで解散した。
必ず再会することを誓って…
つづく。