ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回

階段を下りて、お風呂場へ、みんな抜き足差し足。
よくよく考えたら、一度みんなをカードに戻して、お風呂場でまたアウェイキング、実体化すりゃよかったってもんだけど。
うずめがそんなことを考えるゆとりはまったくなかった。
そして、お風呂に着いたとたん「うひゃー、これかあ」「なんか小さいな」「ここにみんなで入れっていうの?」と、ドール達は好き勝手言い始める。
「静かにぃぃ!」うずめがまず湯船に入る。
「しめじがさきぃ〜」
続いてマドレーヌが「わたくしも御一緒にやらせていただいてよろしいでしょうか?」
「ずる〜い、カティアも!」
どんどん入ってくるけど、五人のドール+マスターうずめが家庭用の浴槽に入れるわけがない。
うずめは湯船の隅に押しやられ、ぎゅうぅぅと潰されて「狭すぎるから、誰か出て〜 苦しいよ〜」と訴える。
それに対して、ささらが言った「みんな、マスターがそう言ってるから、ここはひとつジャンケンしようかね。負けたらここから出るとして」
ジャンケンと聞いて、うずめは嫌な予感がした。
生まれてこのかた一度も勝ったためしがないのだ。
ジャンケン以外の方法で…と言い出す間もなく、ささらは「はい、最初はグー!」
みんなも一斉に「ジャンケン、ポン!」
結果は…
言うまでもない。
うずめは浴槽の外へ出て「さ、寒いな…」とつぶやきながら、ドールたちみんなが湯船の中でキャッキャキャッキャとはしゃぐのを見ていなければならなかった。
そして、うずめは一人でぐちる。
「これでも、私はマスターなの? うまく言葉にできないけど、なんか違うことはわかる。ん〜」
願いをかなえるためにやってきた。そう言ったファンタジスタドール達五人は今、湯船の中でまったりしている。
「それで、マスター、どうすればいいの?」
バスタブの中から、ささらが聞く。
「どうすれば、って…」うずめはシャワーを使ってちろちろと自分にお湯を掛けながら答えた。
「私達は願いをかなえる使者なんです」小明が人差し指で、うずめに狙いを定めて言った。
「そうだよ、マスター、これまで一人じゃできなかったこと、行けなかったところにもこれからは私達ドールがいるんだから、どんどんでかけて行ったりしよう」カティアにそう言われて、うずめは改めて考える。
これまで一人だから行けなかったところ?
とっさに思いつくのは…


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