ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回

「グオ」と恐竜は、しめじに言った。
「グオ?」しめじが聞き返す。
「グオ、それが…ボクの名前」
「グオ! グオっていうんだ、君!」
「そう…らしい…ボクは恐竜…ボクはグオ…しめじは…しめじは何?」
「私は…ファンタジスタドールだよ」
「ファンタジスタドール?」
「そうだよ」
「ファンタジスタドールって、何?」
何? と、聞かれて、しめじは咄嗟になにから説明したものか、と、ちょっと答えに詰まってしまう「ファンタジスタドールっていうのは…」
ぐるるるる… グオは小さな唸り声を上げながら、思案して目をくりくりと動かしている、しめじをの顔をまじまじと見つめて答えを待つ。
「ファンタジスタドールってのは、マスターってのがいて…私のマスターは鵜野うずめちゃんっていうんだけど、そのマスターの夢を叶えてあげるんだ」
「マスター…」
「そうだよ」
「しめじのマスター…鵜野うずめ」
「うん、それはグオが覚えなくてもいい言葉かもしれないけど」
「グルル…グオには関係ない?」
「お! そうそう、関係ない関係ない。うずめちゃんは私のマスターだから」
「じゃあ…ボクのマスターは?」
「グオのマスター?」
「ボクのマスターはどこ?」
「え? え? えっとねえ…」
「マスターを探す…」
「え? なんで?」
「夢を叶えるため…」
「ん、ん…ちょっと待って…グオはいいんじゃないかな、マスターとか探さなくても?」
「…どうして?」
「ん…ん…だってね、グオは恐竜なんだから。ファンタジスタドールじゃないんだから」
「グオのマスターは…どこ?」
「いや、いやいやいや、グオ、話を聞こうよ」
「グオのマスターを捜しにいく、しめじは、どうする?」
「どうするって…」
グオは吠えた。
グオオオオオオ!
この時の声を聞いて、離れた場所でヨモギちゃんに似顔絵を描いてもらっていた、うずめが「なに?」立ち上がったのだった。


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