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「グオ」と恐竜は、しめじに言った。
「グオ?」しめじが聞き返す。
「グオ、それが…ボクの名前」
「グオ! グオっていうんだ、君!」
「そう…らしい…ボクは恐竜…ボクはグオ…しめじは…しめじは何?」
「私は…ファンタジスタドールだよ」
「ファンタジスタドール?」
「そうだよ」
「ファンタジスタドールって、何?」
何? と、聞かれて、しめじは咄嗟になにから説明したものか、と、ちょっと答えに詰まってしまう「ファンタジスタドールっていうのは…」
ぐるるるる… グオは小さな唸り声を上げながら、思案して目をくりくりと動かしている、しめじをの顔をまじまじと見つめて答えを待つ。
「ファンタジスタドールってのは、マスターってのがいて…私のマスターは鵜野うずめちゃんっていうんだけど、そのマスターの夢を叶えてあげるんだ」
「マスター…」
「そうだよ」
「しめじのマスター…鵜野うずめ」
「うん、それはグオが覚えなくてもいい言葉かもしれないけど」
「グルル…グオには関係ない?」
「お! そうそう、関係ない関係ない。うずめちゃんは私のマスターだから」
「じゃあ…ボクのマスターは?」
「グオのマスター?」
「ボクのマスターはどこ?」
「え? え? えっとねえ…」
「マスターを探す…」
「え? なんで?」
「夢を叶えるため…」
「ん、ん…ちょっと待って…グオはいいんじゃないかな、マスターとか探さなくても?」
「…どうして?」
「ん…ん…だってね、グオは恐竜なんだから。ファンタジスタドールじゃないんだから」
「グオのマスターは…どこ?」
「いや、いやいやいや、グオ、話を聞こうよ」
「グオのマスターを捜しにいく、しめじは、どうする?」
「どうするって…」
グオは吠えた。
グオオオオオオ!
この時の声を聞いて、離れた場所でヨモギちゃんに似顔絵を描いてもらっていた、うずめが「なに?」立ち上がったのだった。