ファンタジスタドール

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アニメ「ファンタジスタドール」脚本家の1人である、じんのひろあき氏による、
ウェブ限定のオリジナルストーリーノベル!毎週更新中!

ファンタジスタドール
お砂糖とスパイスと何か素敵なもので女の子はできている

著:じんのひろあき イラスト:Anmi 
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回

「グオ! グオ! 聞こえる? 私、しめじのマスターの、うずめ、鵜野うずめです」
「グルル…マスター?」
それまでずっと、頭の横、耳の側でどんなに「グオ、ちょっと待って、ちょっと待って」と言ったところで、追跡の足を緩めることがなかったグオが、うずめの声に反応した。
しめじはグオの耳元に携帯を差し出して音がよく聞き取れるようにしてやる。
「グオにとって、しめじは何?」うずめの声。
「しめじは…何?」グオが答える。
「そう、しめじは…何?」
「しめじは…」
「グオが…起きてから、ずっと側にその、しめじって子がいるでしょ?」
「…いる」
「しめじは、グオにとって何?」
ドスドスドス…という恐竜の歩みがそこから急に緩やかになった。
ドス…ドス…ド…ス…
そして、ティラノサウロスは立ち止まった。
ちょうど屋台街の真ん中あたり。二週したところで、すでに「恐竜だ!」「恐竜だ!」と、両脇のシュウマイショップから人々が写メ撮りに現れ、子供達は歓声を上げて手を振り続けていた。
そんな回りの喧噪とは逆にグオは完全に沈黙しその頭の中は、うずめの唐突な質問で真っ白になっている…感じだった。
グオの目がギロリと自分の耳の側にしがみついている、しめじを見ようと動いたかと思うと、しめじに言った「しめじは何?」
しめじが言う「私はファンタジスタドール」
グオがその後を続ける「マスターうずめの望みを叶えてあげる」
そして、それに携帯の中から、うずめが続ける「それは、マスターである私と、しめじの話。グオ、あなたと、しめじはどうなの?」
グオが唸った「しめじは…なんだろう」
しめじが助け船を出す「友達って…グオ、わかる?」
「トモダチ?」
「そう、友達」
「…友達」
「マスターとか、ドールとかっていう関係じゃなくてね、グオと私は友達…ちょっと前に出会ったばかりだけど、友達っていうのが一番近い、一番合ってる」
グオは唸る「グルル…しめじは友達…」
しめじの顔に笑みが戻った「そうだよ、グオ」
グオは続けた「それで…グオは…友達にはなにをしてあげればいい?」
「なにもしなくてもいいよ…」
「でも…なにかしたい…ダメ?」
「ううん、ダメじゃないよ。友達のためになにかしてあげたいってことを思うのは…それはね、グオ」
「それは…なに? しめじ…」
「優しいっていうんだよ」
「優しい?」
「そう、グオは優しいんだ…」
「なにを…すれば、いい?」


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